学校概要

 本校は長野県上田市にある、県立の工業系短期大学校(厚生労働省認可)です。産業界が求めるエンジニアの育成と専門的な技術の研究を行うことを目的として、平成7年(1995年)に開校しました。

学校の特色 本校の目的 沿革 学科及び定員  教育内容 カリキュラム 工科短大の組織 

学校の特色

実践力重視

各科とも実践技術者として必要な基礎理論の習得に加え、最先端機器を活用した実験・実習を行い、即戦力となる人材を育成します。

個別指導重視

実験・実習、卒業研究などでは、可能な限りの個別指導方式を採用し個人の進度に合わせて、理解力と技術力とを高めます。

柔軟なカリキュラム

時代が求めるニーズを的確にとらえ、確実に答えてゆくために、柔軟なカリキュラムを構成します。

本校の目的

  産業技術の高度化・情報化が進展する中で、長野県の先進的な産業を支える県内企業でニーズの高い実践技術者(ものづくりに関する幅広い高度な技能及び知識 を併せ持ち、創造力と行動力を備えた課題解決型の人材)を育成するとともに、専門的な技術を研究し、もって長野県の産業振興に寄与することを目的としてい ます。

工科短期大学校の3つのポリシー

ディプロマポリシー

 各学科が定めた学修カリキュラム・教育プログラムを修め,所定の単位を取得した者に,本校の卒業を認定します.また,最終学年で実施する技能照査の合格者には,技能士補の称号を授与します.

※技能士補は,所属科に関連する一部の検定職種において技能検定2級の学科試験が免除されます.

カリキュラムポリシー

・デジタル変革(DX)と国際化に対応したカリキュラムを編成します.
・専門基礎科目から専門応用科目まで系統的に学べるカリキュラムを編成します.
・知識・技術を習得するために,講義だけでなく実験・実習・演習の組み合わせで教育を行います.
・教育は少人数教育(20名程度),実習機器は1人1 台の教育環境を基本とします.
・学生の主体的学びを推進するために,各種競技会や学会活動などの活動に参加するとともに,卒業研究をとおして課題解決できる総合力を育てます.

アドミッションポリシー

 長野県工科短期大学校は,基礎力・少人数・実践的専門技術の習得を重視した教育を行い,ものづくり企業で活躍できる高度な知識・技術をもち,課題解決型の技術者育成に努めます.
そのため,次のような学生を求めています.

・ものづくりに興味・関心がある人
・学修意欲をもち,コミュニケーション力を磨こうとする人
・先端技術に関わる新しい課題に積極的にチャレンジしようとする人
・地域産業の技術力向上および地域社会の発展に寄与する意欲を持っている人

機械システム学科

ディプロマポリシー

 機械システム学科では,機械工学分野の基礎ならびに専門科目を学習し,機械関連の製造業で活躍する実践技術者を育成することを目的とします.以下の教育プログラムを学修成果とし,所定の単位を取得した者に本学の卒業を認定します.
学修成果
・機械工学を社会のために活かせる倫理観の修得
・機械工学分野における専門的な技術,技能の習得
・社会発展に貢献する工学的視野の修得
・生産技術における問題解決能力の向上
・実践技術者としてのコミュニケーション能力の向上

カリキュラムポリシー

 機械システム学科は,ものづくりの基盤となる機械工学と生産技術の知識・技術を身に付け,機械の設計や製造・加工技術の開発などを行う実践技術者の育成を行います.そのため,以下に示すカリキュラム編成になっています.

・機械工学分野で必要な数学,力学などの工学系基礎知識の習得
・機械製図や機械加工に関する基礎的な知識と技能の習得
・機械加工や組み立て工程などの自動化に必要な知識と技術の習得
・習得した知識,技術を応用するものづくり課題

アドミッションポリシー

 機械システム学科は,ものづくりに強く興味を持ち,課題を見つけ課題解決に取り組める意欲に溢れる以下のような人を求めます.

・機械やロボットに興味があり,ものづくりをしたい人
・頭にイメージしたロボットや機械を造り出したい人
・生産システム技術を身に付け,ものづくりを通して社会に貢献したい人

システム制御学科

ディプロマポリシー

 システム制御学科では,ロボット,EV,FA設備などの知能化した機械電気システムを設計し製作できるメカトロニクス実践技術者の育成を目的とします.これを踏まえて,以下に示す学修成果を達成するために行われるカリキュラムを学修し,所定の単位を取得した者に本学の卒業を認定します.
学修成果
・多様な価値観を尊重し,協働して地域の産業振興に貢献ができる
・メカトロニクス実践技術を身に着け,新たなことに挑戦ができる
・ものづくりで発生する様々な課題を考察し,周囲とのコミュニケーションを重ねながら解決策を提案・実行できる

カリキュラムポリシー

 システム制御学科では,機械設計・加工・製作技術,AI,コンピュータ技術,センサ技術,制御技術などを学修し,知能化した機械電気システムを構築できるメカトロニクス実践技術者を育成します.そのため,以下に示すカリキュラム編成となっています.このカリキュラムの学修を通じて,理論に裏付けられた高度な実践力と豊かな創造力が養われます.

・汎用機械,CNC機械,CADに関する基礎知識,各種機械加工
・計測,測定に関する基礎知識,各種計測・測定機器による加工物の計測,測定,評価
・機械工学,電気電子工学,情報工学,制御工学の基礎知識
・コンピュータによる産業用ロボットの制御
・メカトロニクス機器,FA設備の設計・製作・保守

アドミッションポリシー

 ロボット,EV,CNC機械などに代表される日々進化し続ける機械電気システムをAI,コンピュータ技術,センサ技術,制御技術を駆使して知能化する能力を持つメカトロニクス実践技術者を育成します.この様な人材を育成するため,以下の能力と意欲を有する人を求めます.

・数学や物理に関する基礎知識を有し,高度実践技術を学ぶ能力と意志のある人
・ものづくりを通して地域の産業振興に貢献したい人
・課題に向かって挑戦しようとする意欲のある人

情報エレクトロニクス学科

ディプロマポリシー

 情報エレクトロニクス学科では,電子・情報に関する知識・技術・技能に基づいてものづくりができ,地域の産業振興に寄与できる技術者の育成を目標とします.
そのために,基礎知識に加え専門知識を学び,さらに実験実習を通して技術・技能を習得し,卒業研究を通して問題設定・解決に至った学生に対して卒業を認定します.

・電気・電子回路が理解でき,基本的なものを自作することができる.
・電気.電子部品・センサなどに対する知識があり,これを利用することができる.
・コンピュータと電子回路とをハードウェア・ソフトウェアにつなげることができ,これをプログラムで制御することができる.
・コミュニケーション力を養い,グループワークを円滑に行うことができる.

カリキュラムポリシー

 情報エレクトロニクス学科では,ディプロマポリシーに基づき,ハードウェア分野とソフトウェア分野および関連した実験実習や関連基礎を学ぶ以下のようなカリキュラム編成としています.

・安全衛生や知的所有権,数学など電子情報分野の技術者としての基礎
・電気・電子回路や計測に関する基礎知識,それらの実習
・電子物性やセンサ,電磁気学など電気電子分野の基礎
・アナログ,デジタルの回路や論理の基礎
・情報通信や信号処理に関する基礎
・情報リテラシーやデータの扱い.プログラミングの基礎,CADソフトの利用
・マイコンなどを利用したハードウェアとソフトウェアの融合・組み込み

アドミッションポリシー

 情報エレクトロニクス学科では,電子部品・電子回路・コンピュータアーキテクチャといったハードウェアの技術と,それを動かすためのプログラミングに関するソフトウェアの技術の両面が理解できる人を育て,ものづくりにおける諸問題に対して自主的に解決できる実践技術者を育てることを目標とします.
そのため本学科では次のような素養を備えた学生を求めています.

・電気・電子回路やコンピュータの中身に興味がある人
・プログラミングや機械・回路を動かすための仕組みに興味がある人
・ものを分解したり組み立てたりすることに興味がある人
・コンピュータにつながる装置を作って動かしてみたいと考える人

知能情報システム学科

ディプロマポリシー

 産業界のニーズと変化に対応した教育のもとで,先端的な情報技術を産業界や地域に貢献するために使いこなす知識,情報システムの機能,仕組み,設計・開発手法を習得する.また,地域社会に対する貢献のため,知能情報を利用したシステムの企画・設計・開発・管理・運用のできる人材を育成することを目的とする.

・情報技術の仕組みを体系的に捉えることが可能であり,データを重視した論理的な判断ができる能力を獲得していること.
・ソフトウェア,ハードウェア及びネットワーク技術,情報システムの企画・設計・構築等に携わることのできる能力を獲得していること.

カリキュラムポリシー

 ディプロマポリシーに掲げる目標を達成するために,講義と実習を連携させた基礎技術に関する教育体系を準備,さらにはより専門性を高めるための専門科目を配置し,卒業研究と連携して学生が主体的に行動するカリキュラムを提供する.

・一年次では,教養科目における数学等の知識をベースに,情報システムを構成するハードウェア,ソフトウェア及び情報ネットワークに関する幅広い技術の基礎を習得する.
・二年次では,基礎技術をもとにより専門性の高い応用を目的とした手法と技術を習得する.さらに,卒業研究をとおして少人数のゼミにより,学んだ知識・技術を応用して問題を発見・整理・分析する能力,知能情報を利用したシステムの企画・設計・開発を行う能力及びコミュニケーション能力や技術者としての倫理観・責任観を培う.

アドミッションポリシー

・コンピュータやその周辺技術に対する探求心とモノ作りのマインドを持ち,情報分野の科学技術に関心がある人.さらに,身に付けた技術を生かして産業界や地域の問題に主体的に取り組み,他者と協力して持続可能な社会の実現を目指す意欲を持つ人.
・高等学校で履修した主要教科・科目について,教科書レベルの基礎的な知識を有し,課題を解くことができ,理数系科目については体験的学習から得られた知識・知見・技術を有している人

沿革

平成 6年 1月   学校の正式名称を「長野県工科短期大学校」と決定
     7月  労働大臣から短期大学校の設置認可
    12月    工科短期大学校条例制定
平成 7年 4月  工科短期大学校開校
平成10年 4月  技術研究開発機構新設
平成11年 1月   教育研究振興会設立(工科短期大学校支援組織)
     6月  中国河北農業大学機電工程学院と学術交流提携調印
平成17年 3月  上田市との連携に関する協定書調印
平成20年10月 須坂市との連携に関する協定書調印
平成29年 9月  信州大学工学部との連携に関する協定書調印
平成30年 3月  第22期生卒業までの卒業生数1706名

(参考)県立の職業能力短期大学校の開校状況
山形県立産業技術短期大学校(H5)、神奈川県立産業技術短期大学校(H7)、長野県工科短期大学校(H7)、熊本県立技術短期大学校(H9)、岩手県立 産業技術短期大学校(H9)、大分県立工科短期大学校(H10)、山梨県立産業技術短期大学校(H11)、岐阜県立国際たくみアカデミー(H16)、茨城 県立産業技術短期(H17)、福島県立テクノアカデミー(郡山)(H21)、広島県立技術短期大学校(H21)、福島県立テクノアカデミー(会津・浜)(H22)、 山梨県立産業技術短期大学校(都留)(H25)、長野県南信工科短期大学校(H28)

学科及び定員

学科
入学定員
総定員
機械システム学科
20人
40人
システム制御学科
20人
40人
情報エレクトロニクス学科
20人
40人
知能情報システム学科
20人
40人
80人 160人

教育内容

機械システム学科

精密機械加工技術を中心として、設計から生産工程の自動化技術、品質管理など、生産システム全般に対応できる実践技術者の育成を目指します。
(1) 機械製図、CAD/CAM(2D・3D)に関する基礎知識を有し、これらによる機械設計ができること。
(2) 工作機械、数値制御(NC)及びNCプログラミングに関する知識を有し、それらの機械による加工・評価ができること。
(3) 計測、測定に関する知識を有し、各種計測・測定機器による加工物の計測、測定、評価ができること。
(4) 油空圧制御とシーケンス制御に関する基礎知識を有し、それらを用いた機械設備の回路設計と機構製作ができること。
(5) コンピュータ(PC)の各種ソフトウェアやプログラミングに関する知識を有し、これを用いた装置・計測機による解析、評価ができること。
(6) 実験・実習・学科を通し、理論に裏付けられた実践力と豊かな創造力を養い、研究活動に参加できること。
(7) 生産システムの設計、制御及び保守管理ができること。

システム制御学科

機械技術にエレクトロニクスやコンピュータ等の技術を加え、機械や装置を制御する工学知識と、コンピュータ、センサ、メカニズム全般を駆使した制御技術をもつ実践技術者の育成を目指します。
(1) 汎用機械、数値制御機械、CAD/CAM等の基礎知識を有し、各種機械加工ができること。
(2) 計測、測定に関する知識を有し、各種計測・測定機器による加工物の計測、測定、評価ができること。
(3) 実験・実習・講義を通し、理論に裏付けられた実践力と豊かな創造力を養い、研究活動に参加できること。
(4) 電気工学、電子工学、情報工学の基礎知識を有し、コンピュータによる機器の制御ができること。
(5) メカトロニクス機器の設計・製作ができること。
(6) FA設備の設計、制御及び保守管理ができること。

情報エレクトロニクス学科

エレクトロニクス分野のハードウェアとその制御に用いられるソフトウェアと融合した、プログラミング・シミュレーション・信号処理技術・電子回路設計技術等を学ぶことで、ハードウェアとソフトウェア双方の技術をもつ実践技術者の育成を目指します。
(1) コンピュータを活用した、ハードウェアとソフトウェアの技術を結合する基本的なシステム構築ができること。
(2) 各種センサ、半導体部品の特性を習得し、自動計測・制御に活用できること。
(3) ソフトウェア技術を習得し、それをデータ処理・分析、ハードウェア制御に活用できること。
(4) 基板製作法、配線技術法等の電子回路を製作する工程を習得し、各種電子回路を設計・製作できること。
(5) 実験・実習・講義を通し、理論に裏付けられた実践力と豊かな創造力を養い、研究活動に参加できること。

知能情報システム学科

コンピュータシステムを構築するための知識と技術を習得し、ソフトウェア製品の設計技術を身に付け、高度情報化社会に対応できる問題解決型の技術者の育成を目指します。
(1) 情報処理の基本を理解し、情報処理技術の変化や新しい技術に対応できること。
(2) プログラミング言語を理解し、ソフトウェアの設計・製造ができること。
(3) 既存の各種の機器を組み合わせ、システム構築と各々の性能を引き出すソフトウェアの環境設定ができること。
(4) コンピュータネットワーク技術、情報通信技術、画像処理技術に関する知識を有し、システム開発に伴う諸問題に柔軟に対応できること。
(5) 実験・実習・学科を通し、確かな実践力と豊かな創造力を養い、研究活動に参加できること。

カリキュラム

各科とも、2年間で 156単位(2,808時間)

機械システム学科

  機械システム学科履修科目一覧表

システム制御学科

  システム制御学科履修科目一覧表

情報エレクトロニクス学科

  情報エレクトロニクス学科履修科目一覧表

知能情報システム学科

  知能情報システム学科履修科目一覧表